江戸城はちゃんとある!
江戸城と言うと、大抵の人は「江戸城なんて今はない」と思ってると思いますが、実際はちょっと違います。
「江戸城」が天守のことを指して言っているのなら、「明暦の大火(1657年)」で焼失してから再建されていないのでありません。
でも、天守は城の1パーツにしか過ぎず、主要部分はかなり完全な形で残っているので、江戸城はちゃんとあります。
厳密な話をすれば、例えば東京ドームは城外ですが、目の前の「外堀通り」はその名の通り江戸城外堀の跡なので、JR水道橋駅は城内ということになります。
なので、江戸城=皇居というのも少し違います。
ちなみに、東京ドームシティは水戸黄門で有名な水戸徳川家の屋敷跡で、小石川後楽園はその一部として残されています。
さて、今回の富士見多聞の内部公開。
江戸城には往時の建築物なんて1つも残っていないと思いきや、意外とたくさん残っています。
桜田門や日本武道館に行く時にくぐる田安門などの城門、富士見櫓、伏見櫓、桜田二重櫓の3つの櫓(やぐら)、それに番所など。
ただ、今までは建物の中に入ることは決してできませんでした。
多聞(たもん)というのは、平時は屋根と壁のある渡り廊下のようなものですが、有事には監視、迎撃の拠点となる建物です。
現存する江戸城の建物の中に入れるんです!
これは行くしかないでしょう!
東京には、よく探すと江戸城の痕跡がそこかしこにあります。
首都高なんて、土地の取得費用のかからない江戸城の堀を利用したので「50年かかるところを5年でできた」と言われていて、堀の中を走っていたり、往時の石垣が見えたりします。
緑が残っている所は大抵大名屋敷の跡で、庭園として開放されているところが多いし、地名も往時の名残りを感じさせる所がたくさんあります。
ただ、江戸城の建物に入れるというのは恐らく初めての試みで、楽しみでなりません♪
本丸跡の芝生の広場に寝転がって空想にふけるのも楽しいですが、将軍を含む歴史上の人物が実際に使っていた江戸城の建物に入れるなんて、感動でどうにかなっちゃいそうです!
そういう歴史的背景を知らず「ふーん」という感想しか持たない人には、決して足を踏み入れて欲しくない、聖なる領域です。